ブランド化促進を目指して

南魚沼市では市内産品のブランド化促進を目指し、令和3年度より「にっぽんの宝物プロジェクト」に参加しています。「にっぽんの宝物プロジェクト」とは、1次2次3次産業の「コラボレーション」、事業者の「アクティブラーニング体験」をキーワードに、各地域の生産物、商品、技術を国内外に紹介・販売支援を行うプロジェクトです。今回は事業者として「にっぽんの宝物プロジェクト」に参加し、「にっぽんの宝物JAPANグランプリ」で、最高賞を受賞した、今成漬物店の今成要子さんをご紹介します。

今成 要子 さん

Yoko imanari / 50歳

南魚沼市出身。市内高校卒業後、進学のため東京へ。東京での就職を経て、2011年にUターン。現在は家業である今成漬物店で看板商品「山家漬」の製造、新商品の開発を担う。

今成漬物店

●〒949-6680 南魚沼市六日町1848
●営業時間:10:00~18:00
●定休日:不定休
●TEL/025-772-2015
●HP/https://kounoikeya-imanari.co.jp/

100年ぶりの新商品開発に挑戦

今成漬物店の今成要子さんは今成漬物店の4代目。100年ぶりの新商品開発に取り組み、開発した新商品の「つけもなか」は令和4年2月に開催された「2021-2022年にっぽんの宝物JAPANグランプリ」にて最高賞を受賞しました。今回は新商品開発に取り組むことになったきっかけや今後の目標について伺いました。

看板商品の「山家漬」について教えてください。

今成 要子さん(以下敬称略) 「今成漬物店」のルーツは江戸時代に始まった造酒屋です。当時から酒造りと並行して粕漬を作っており、明治時代以降は新潟所縁の文人にも愛されました。
「山家漬」は新潟の文人、會津八一が西行の歌集「山家集」にちなんで命名した商品です。地元で生産された野菜を銘酒「八海山」の酒粕に漬けた粕漬は昔から多くの方に親しんでいただいております。

100年ぶりの新商品の開発の経緯を教えてください。

今成 100年続いてきた今成漬物店の「山家漬」の味を多くの人、特に若い世代に知ってもらいたい、漬物という日本ならではの味を残していきたいと思っていました。そんな時、市の商工観光課から「にっぽんの宝物プロジェクト」の案内を受けました。コロナ禍ということもあり、参加するか迷っていましたが、オンラインでも参加できると知り参加を決意しました。
まずセミナーでは商品の打ち出し方や新商品開発のため何が必要なのかなどを学びました。セミナー参加により、自分たちが売っている商品に自信が持てましたし、他の参加者と交流する中で、南魚沼市の食の魅力、環境の良さにあらためて気づかされましたね。

にっぽんの宝物JAPANグランプリ」出品の経緯を教えてください。

今成 「にっぽんの宝物JAPANグランプリ」に出品するためには、まずセミナーに参加し、その上で新潟南魚沼大会を勝ち抜かなくてはなりません。セミナーで学んでいるうちにせっかくなので新商品を開発し、挑戦してみようという気持ちになり、セミナーで学んだことを活かしながら新商品のアイディアを練り上げて「つけもなか」を完成させました。
「つけもなか」は野菜などを漬けて発酵し、うまみが染み出た酒粕にクリームチーズを漬け、それをもなかの皮で包んだ商品です。大人向けのスイーツがコンセプトで、甘いものが苦手な人にも食べてもらえるようにと開発しました。「にっぽんの宝物JAPANグランプリ」でも商品開発のストーリー性などが評価され、最高賞を受賞することができました。

今後の目標を教えてください。

今成 「にっぽんの宝物JAPANグランプリ」に出品したことで「今成漬物店」を多くの方に知っていただけました。
南魚沼は発酵文化、漬物の文化が根付いている地域です。漬物に馴染みがなかった若い世代にも「つけもなか」をきっかけに漬物を知っていいただき、食べていただければと思っています。これからも雪国の発酵文化、漬物の文化を残していくための活動を続けていきます。